離婚してから語る結婚指輪への思い
私はもともとアクセサリーをしないので、唯一もっていた指輪が結婚指輪でした。
結婚指輪というものにはずっと憧れがありました。結婚願望が高かったんでしょうね……結婚すれば幸せが約束される? そんなの妄想とも言えそうな生真面目な女だった……。
元旦那と付き合い始めた頃、私はまだハタチになったばかりで「彼氏から指輪を送られる」ということにすごく憧れていたのですが、「指輪が欲しい」とはっきり言うことはできませんでした。それとなく匂わせていたつもりだったのですが、気が付かなかったのか無視されていたのか、とうとうプレゼントされることはありませんでした。
もともとお金のある人ではなかったのでしょうがないのですが、別に安い指輪でよかったのになと思います。少しバイトすれば買えるものなのに、それをもらったら、どんなにか私はうれしかったか知れないのに。 婚約指輪は貰いませんでした。
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結婚するとなった後、結婚資金の話をしていて彼に「今、貯金いくらあるの?」と聞いたら「5万円」って言われました。心の中で「それは貯金じゃなくて、残高でしょ?」と突っ込みいれたけど…。そんな彼に婚約指輪が欲しいとは到底いえませんでした。そういうものにこだわっても、幸せになれるとは思えなかったし、指輪がもらえるかどうかで彼を選んだわけでもなかったから。
でも、彼の親戚から「婚約指輪くらいもらいなさいよ。」と言われたとき、「いいんです。私そういうの興味ないから、もったいないからいらないんです。」なんて、彼の両親の手前うそをついた自分が、今となってはみじめだなと思います。
さすがに、結婚指輪はなしという訳にはいかず、二人でお金を出し合って購入しました。私にとって、初めての指輪。それが結婚指輪だったのです。
結婚式まで、何度も何度もその指輪を見ました。当日までは決して指にはめませんでした。結婚後、自分の指にはめられた結婚指輪をながめながら、本当に私は幸せだと思いました。指輪はずっとはめたまま生活していました。
これほどまでに、指輪というものに思いを込めていたからでしょうか。
夫からの離婚要求があり浮気を知った後、私の左薬指の指輪をはめていた部分がひどいアレルギーを起こしたのです。
それまではなんともなく、もともと金属アレルギーは調べてあったので、そんな訳はないのですが、指輪をしている部分が赤くなり、皮がむけて、ボロボロになりました。金属アレルギーではないのに、明らかに指輪が原因でした。
私は、それでも指輪をはずしませんでした。どんなに指がボロボロになってもはずさないって思ってました。はずしたら、すべて終わってしまうような気がしたから。
夫はその頃すでに指輪はしていませんでした。
あれはいつ頃だったか覚えていません。当時はまだ別居するなんてことは頭にない頃でした。夫に指輪をして欲しいとお願いしたのですが、夫はそれを拒みました。どういう話の流れでそうなったのかは覚えていないのですが、その時私はとうとう指輪をはずしました。でもそれは別れを決意したというものではなく、自分の指輪と夫の指輪と交換するためでした。そして、「いつか、気持ちが戻ったら、お互いにまた指輪を交換しよう。その時までお互いの指輪を持っていよう。」と約束しました。
絶対にまた指輪交換ができるって信じてたのに。あの約束はなんだったんだろう。私のボロボロの指をみて、夫は涙を流していたのに。どうしてうまくいかなかったんだろう。(涙がでてきました)
別居する日、私はずっと持っていた夫の指輪を机の上に置いてきました。
私の指輪は、夫が持っていたはずですが、どこにあるのか知りません。
結局、あの結婚指輪はどう処分されたのか。私は全く知りません。あの指輪を二人で選んだのはたった3年前の出来事です。 薬指のアレルギーは別居するまで続いていましたが、今はもうすっかり治っています……
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